Home慣習 ≫ 上座と下座

上座と下座

読み方:かみざとしもざ
関連語:座布団正座・日本画

上座と下座の画像

部屋の中で目上の人や客人が座る席を上座、目下の人やもてなす側が座る席を下座といいます。特にビジネスの世界ではこの席次が重んじられます。「かみざ」「しもざ」又は「じょうざ」「げざ」とも呼ばれます。

意味・特徴床の間と出入り口を基準に

一般に、和室では床の間や床脇棚〔とこわきだな〕に近い席が上座、部屋の出入り口に近い席が下座となります。床の間がない部屋では出入り口から遠い席が上座、近い席が下座となります。また洋室では、暖炉や暖炉の飾り棚があれば、そちらに近い席が上座となります。出入り口から遠い位置にソファー(2人以上がゆったり座れるもの;1人掛けはアームチェア)がある場合もそれが上座です。
ソファーが上座になるのは、「2人分のスペースがある広いソファーに1人で座ってもらい、よりくつろいでもらいたい」という大切な客人や年配者などへの配慮が込められています。また出入り口に近い方が下座なのは、出入りが頻繁にあると落ち着かない気分になるため、大事な人を座らせるわけにはいかないからです。

起源・歴史床の間の近くが上座である理由

なぜ床の間の近くが上座になったのでしょうか。それは床の間の歴史をみるとわかります。
床の間は書院造りの特徴です。書院造りは、室町時代にそれまでの寝殿造りにとって代わり普及しました。寺の僧侶が経典などを勉強する部屋を原型とし、それが武士の家に取り入れられました。床の間は床より一段高くされ、そこには三具足〔みつぐそく〕(仏前に供える香炉・花瓶〔けびょう〕・燭台)を置き、仏画を掛けました。
床の間は仏画をかける神聖な場所であったため、部屋の一番奥の出入り口から遠い落ち着いた場所に造られました。その神聖で落ち着く場所に身分の高い大事な人に座ってもらうのは、自然な流れだといえるかもしれません。

方法・形式・作法状況に合わせて

上座であっても冷暖房の風が直接当たる、また直射日光が当たる、逆光で目上の人が心地よく過ごせない等の場合があります。上座がそのような悪環境におかれている場合には、無理に上座に座ってもらう必要はありません。また外の景色がよく眺められる席が上座以外の席にあれば、そちらを勧めると良いでしょう。
出入り口の位置や光の具合、眺めの良い場所などその時々の状況に合わせて席を勧めるのが、本当に相手を気遣ったおもてなしといえます。

■参考文献・ウェブサイト


おすすめウェブ・サイト

おすすめ本


トップページへ当サイトについてサイトマップ(キーワード一覧)個人情報の取扱についてお問合せ

Valid CSS! Valid XHTML 1.1!