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落語

読み方:らくご
同義語:落し話・噺〔はなし〕・咄〔はなし〕・お笑い

落語の画像

落語とは、町民の生活や、お伽話〔おとぎばなし〕などを滑稽な話として語るもので、噺〔はなし〕の結末にオチがつくのが特徴です。 大阪・京都を中心とする関西圏(上方)中心に発達した上方落語と、江戸(東京)で発達した東京落語があります。

特徴庶民の知恵と笑い

江戸時代には「士・農・工・商」という四つの身分制度がありました。落語はその中でも「工・商」である町民と呼ばれる低い身分の人々の間で生まれました。その為、落語の噺は、毎日のつらい生活を一生懸命生きていた人々の知恵が笑いと一緒に語られています。

上方落語は、もともと屋外のざわめきの中で、噺を聞く事を目的としてない通りすがりの人々も相手にしていたので、とにかく目立つ必要がありました。そのため、小道具や鳴り物を使うなど、東京落語よりも比較的派手なものが特徴です。さらに、上方言葉で聞き手に語りかける話法をとり、愛嬌・サービス精神が旺盛で、常に聞き手とのコミュニケーションを大切にしています。

一方、東京落語は、座敷ばなし(※)が始まりで、少人数を相手にした噺なので、簡潔でさらっと噺す事が粋〔いき〕なものとされています。 聞き手の反応をあまり気にせず、噺家〔はなしか〕のペースでずんずん噺を進めていくので、ラジオで放送するには、上方落語よりも適しています。

※座敷ばなし…噺の名人たちが武家や町人の家の座敷で「おとしばなし(オチのあるはなし)」を演じる事。

起源・歴史江戸中期に始まる

落語が一芸として世に出たのは、今から約300年前、江戸時代中期と言われています。

上方では京都の露の五郎兵衛〔つゆのごろべえ〕・大阪の米沢彦八〔よねざわひこはち〕という人達が、道端や神社の境内に舞台を設けて多くの人々に向けて自作の噺〔はなし〕を披露して、銭を稼いでいました。これが上方落語の始まりであると言われています。

一方、江戸では、「江戸落語の祖」と呼ばれている鹿野武左衛門〔しかのぶざえもん〕という人物が、諸々の屋敷に招かれ、お座敷芸として噺を披露していました。これが江戸落語の始まりです。その後、江戸時代末期に初代三笑亭可楽〔さんしょうていからく〕が登場し、一定の場所で銭を取って多くのお客さんに対して噺すという、寄席興行が始まりました。江戸中に寄席が次々と増え、庶民の気軽な娯楽として人気を集めるようになりました。

小道具・話術上方落語特有の小道具

落語では小道具を使って、何かに見立てたり、場面転換をしたりします。
上方落語だけに使われる小道具として、「見台〔けんだい〕・小拍子〔こびょうし〕・膝隠し〔ひざかくし〕」の3つがあります。

見台…演者が自分の前に置く小さな机です。見台を叩く事によって場面転換をします。
小拍子…手の中に入る小さな板の事で、場面転換する時に鳴らして用います。
膝隠し…見台の前に立てる低い衝立〔ついたて〕のようなものです。

他にも上方落語には「はめもの」という演出効果があります。噺の最中に三味線を用いて入れる効果音のようなもので、これが入ることにより噺がさらに盛り上がります。

一方、東京落語では小道具は手拭と扇子のみを使用します。

一人で二役を表現する高度な話術

落語は一人で座って演じる芸です。台詞だけで物語を展開し、扇子や手拭を使ってあらゆるものを表現したりもします。 上半身と台詞だけで物語を展開させるので、落語家には話術や表現力が必要です。

※登場人物の区別
落語において登場人物の会話は大変重要なものです。2人の人物を登場させる場合、顔を左右にふることで2人を区別させます。 これを「上下〔かみしも〕をつける」と言います。また、目上の人物に話し掛ける場合は左ななめ上を向き、目下の人物に話し掛ける場合は右下を見下ろします。このような人物の関係、あるいは距離感などを目線やしぐさでこまやかに表現します。

■参考文献・ウェブサイト


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