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内山紙

読み方:うちやまがみ
関連語:障子

内山紙の画像

産地:長野
雪の上に晒す(雪ざらし)ことで薬品の使用量が抑えられ、さらに自然な白さが得られます。また、通気性・通光性に優れ、強靭であるため、障子紙に使われます。

用途・特徴障子紙に最適の品質

通気性・通光性に優れ、強靭であるため障子紙として使用するのに最適の品質を誇っています。
また、変色しにくい性質は筆墨紙(筆墨で書き記すのに使用される紙)にも適しています。

起源・歴史藩の財政を固めた内山紙

江戸時代初期、当時の信濃国高井群穂高村内山村の萩原喜右衛門という者が、既に製紙業が盛んであった美濃から手漉き法を習ってこの地に広め、地名をとって「内山紙」と称したのがはじめと言われているようです。

また、飯山市大字瑞穂小菅の内山で当時盛んだった小菅山修験場の神官・僧侶の需要に応えるために、山岳民族〔またぎ〕が山野に自生する楮で紙を生産、供給して生活の助けとしたことから、内山紙と名づけたともいわれています。いずれも史実である確証はありませんが、製法が外部から伝わったことは確かなようです。

内山紙は江戸時代後期には藩をあげて紙漉きで財政を固めていましたが、第二次世界大戦で多くの職人が戦地に駆り出され、現在ではわずか50戸あまりの業者が製造に携わっているにすぎません。

原料・漉き方1日200枚限定の繊細な和紙

内山紙は木材パルプを使用せず、楮100%で漉かれています。雪の上で晒すため、苛性ソーダや炭酸ソーダの使用も少なく、真っ白で美しい仕上がりになります。

楮皮を雪に晒し(雪ざらし)、トロロアオイ(アオイ科の植物で、その根から抽出した粘液はもっとも重要な製紙粘剤とされます)の根の絞り汁を混ぜ、流し漉きを行います。

紙の厚さや硬さに細心の注意を払いながら漉くため、ベテランでも1日に200枚程度しか漉くことができません。漉き付け板から湿紙を1枚ずつ引き離し、乾かす作業で最終段階を終えます。

■参考文献・ウェブサイト


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